小ネタや更新記録など。妄想の赴くままに・・・
痛いくらい寒いですね。皆様、どうぞ体調にはお気をつけ下さい。
橘、多忙続行中。年度内は、ずっとこんな調子でしょうね。終わる気がしない(笑)
さ。もうちょこっと、バレンタインネタいってみますかね。んー。橘はロンちゃんとフーちゃんが大好きなので、彼らに仲良くしてもらいましょ。
橘、多忙続行中。年度内は、ずっとこんな調子でしょうね。終わる気がしない(笑)
さ。もうちょこっと、バレンタインネタいってみますかね。んー。橘はロンちゃんとフーちゃんが大好きなので、彼らに仲良くしてもらいましょ。
**********
──どうしてこうなった・・・。
見下ろしてくる青い瞳を見つめ返し、フーガは内心でため息を零した。
「・・・フーちゃん、可愛い」
くすくすと笑う声は、いつもよりだいぶ低く感じる。
耳に感じる吐息がくすぐったい。
床に座った状態で背中はクローゼットの扉にくっつき、顔の左右には軽く握られた拳。
そっとやさしく囚われているから、『壁ドン』という勢いはないのだけれど。
両手をついた『ダブル』の状態は、ほとんど抱きつくような格好だ。
「・・・どけ、ロン」
ロンドがフーガに抱きついてくるのも、頬や唇にキスをしてくるのも、割りと日常のことで、特に咎める気もないフーガだったのだけれど。
「いい匂いがする」
すんすん、と鼻を鳴らす様子に、「犬か、こいつは」と呆れたフーガだった。
「ロン──ロンド」
「ぼくとおんなじシャンプーなのに、フーちゃんいい匂い」
「はいはい、分かったからひあっ!」
かぷ、と耳を齧られて、さすがに飛び上がりそうになったフーガだった。
「あはは、フーちゃんびっくりしてる」
可愛い~、と上機嫌に笑う少年は天真爛漫そのもので、ふわふわおっとりした雰囲気とその美貌でもって黒い天使のようだったが、フーガは知っている。
「っ、ロン! いいから退けって」
ぐっ、と30分も出生時間に差のない兄の肩を押すが、びくともしない。
見た目はどちらかと言えば華奢なのだが、ロンドは妹たちはおろかさして身長の変わらないフーガも軽々と抱き上げることが出来るほど力がある。
見た目からは想像もつかないが、力のなさをスピードと急所狙いで補うフーガと違って、ロンドは力そのものも強い。
本人はロッドや格闘技よりも、妹たちとお絵かきやお人形遊びをしている方が好きなようだが、大の男が10人くらいでかかってきても、きっとロンドが勝つだろう。
「え~? なんでぇ~?」
くすくすと笑う様子は心底楽しそうで、家族が笑っているのを見るのは大好きなフーガだったが、何かが変だ。
「ロン、お前、お腹空いて変なものでも食べたんだろ!」
「ん~ん。おやつしか食べてないよ」
言う間も、ロンドはフーガの頬や首筋にすりすりと頭を擦りつけている。
ふわふわの黒髪の感触はフーガも嫌いではないのだが、今日のロンドはスキンシップ過多にも程がある。
「俺は本読みたいんだよ」
「ぼくはフーちゃんと遊びたい」
えへへ、と笑う様子は可愛らしくて、フーガはつい絆されそうになる。
人の話を聞けよ、とは思いつつも、つい譲歩してしまうのだ。
「1時間くらいで読み終わるから、ちょっと待ってろ」
「むぅ~。今がいいの」
いつもだったら「いいよ!」とにっこり笑って頷くロンドだというのに、やっぱり何か変だ。
「フーちゃん、ほんと可愛い・・・」
壁につけられていた手が、フーガの両頬を包み込む。
あたたかい手は気持ちが良く、うっかり目を閉じそうになって頭を振ったフーガだった。
「分かった、分かったから」
「フーちゃん・・・」
迫ってくる父親譲りの美貌と唇に、フーガは菫色の目を瞠った。
「フーちゃん、ちゅー・・・・・・・すぅー・・・・・・」
「──ロン?」
唇が触れ合う直前、ロンドの頭はフーガの唇への軌道を逸れ、肩口へと収まった。
「おい、ロン?」
「すぅ・・・・・・」
──・・・寝てんのかよ・・・。
フーガには、ロンドを持ち上げることは出来ない。
寒い冬とはいえ、空調の効いた室内、そうそう風邪をひくことはないだろうけれど。
「・・・何なんだ、一体」
ため息を零したフーガは、「まぁ、いいか」とロンドを寝やすいように横たえてやってから、手元の本に目を落とした。
「・・・読み終わったら叩き起こすぞ」
やさしい声でそう呟いて、ふわふわの黒髪を撫でたのだった。
**********
ロンちゃんがチョコレートボンボンを食べてモードチェンジしたことを知り、フーちゃんは「こいつには酒を飲ますまい・・・」と心に決めたのでした。
──どうしてこうなった・・・。
見下ろしてくる青い瞳を見つめ返し、フーガは内心でため息を零した。
「・・・フーちゃん、可愛い」
くすくすと笑う声は、いつもよりだいぶ低く感じる。
耳に感じる吐息がくすぐったい。
床に座った状態で背中はクローゼットの扉にくっつき、顔の左右には軽く握られた拳。
そっとやさしく囚われているから、『壁ドン』という勢いはないのだけれど。
両手をついた『ダブル』の状態は、ほとんど抱きつくような格好だ。
「・・・どけ、ロン」
ロンドがフーガに抱きついてくるのも、頬や唇にキスをしてくるのも、割りと日常のことで、特に咎める気もないフーガだったのだけれど。
「いい匂いがする」
すんすん、と鼻を鳴らす様子に、「犬か、こいつは」と呆れたフーガだった。
「ロン──ロンド」
「ぼくとおんなじシャンプーなのに、フーちゃんいい匂い」
「はいはい、分かったからひあっ!」
かぷ、と耳を齧られて、さすがに飛び上がりそうになったフーガだった。
「あはは、フーちゃんびっくりしてる」
可愛い~、と上機嫌に笑う少年は天真爛漫そのもので、ふわふわおっとりした雰囲気とその美貌でもって黒い天使のようだったが、フーガは知っている。
「っ、ロン! いいから退けって」
ぐっ、と30分も出生時間に差のない兄の肩を押すが、びくともしない。
見た目はどちらかと言えば華奢なのだが、ロンドは妹たちはおろかさして身長の変わらないフーガも軽々と抱き上げることが出来るほど力がある。
見た目からは想像もつかないが、力のなさをスピードと急所狙いで補うフーガと違って、ロンドは力そのものも強い。
本人はロッドや格闘技よりも、妹たちとお絵かきやお人形遊びをしている方が好きなようだが、大の男が10人くらいでかかってきても、きっとロンドが勝つだろう。
「え~? なんでぇ~?」
くすくすと笑う様子は心底楽しそうで、家族が笑っているのを見るのは大好きなフーガだったが、何かが変だ。
「ロン、お前、お腹空いて変なものでも食べたんだろ!」
「ん~ん。おやつしか食べてないよ」
言う間も、ロンドはフーガの頬や首筋にすりすりと頭を擦りつけている。
ふわふわの黒髪の感触はフーガも嫌いではないのだが、今日のロンドはスキンシップ過多にも程がある。
「俺は本読みたいんだよ」
「ぼくはフーちゃんと遊びたい」
えへへ、と笑う様子は可愛らしくて、フーガはつい絆されそうになる。
人の話を聞けよ、とは思いつつも、つい譲歩してしまうのだ。
「1時間くらいで読み終わるから、ちょっと待ってろ」
「むぅ~。今がいいの」
いつもだったら「いいよ!」とにっこり笑って頷くロンドだというのに、やっぱり何か変だ。
「フーちゃん、ほんと可愛い・・・」
壁につけられていた手が、フーガの両頬を包み込む。
あたたかい手は気持ちが良く、うっかり目を閉じそうになって頭を振ったフーガだった。
「分かった、分かったから」
「フーちゃん・・・」
迫ってくる父親譲りの美貌と唇に、フーガは菫色の目を瞠った。
「フーちゃん、ちゅー・・・・・・・すぅー・・・・・・」
「──ロン?」
唇が触れ合う直前、ロンドの頭はフーガの唇への軌道を逸れ、肩口へと収まった。
「おい、ロン?」
「すぅ・・・・・・」
──・・・寝てんのかよ・・・。
フーガには、ロンドを持ち上げることは出来ない。
寒い冬とはいえ、空調の効いた室内、そうそう風邪をひくことはないだろうけれど。
「・・・何なんだ、一体」
ため息を零したフーガは、「まぁ、いいか」とロンドを寝やすいように横たえてやってから、手元の本に目を落とした。
「・・・読み終わったら叩き起こすぞ」
やさしい声でそう呟いて、ふわふわの黒髪を撫でたのだった。
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ロンちゃんがチョコレートボンボンを食べてモードチェンジしたことを知り、フーちゃんは「こいつには酒を飲ますまい・・・」と心に決めたのでした。
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