小ネタや更新記録など。妄想の赴くままに・・・
氷みたいにつめてぇ・・・会社の水道でタオル洗ってたら、冷たいの通り越して痛かった(笑)
そんな寒い日なので、シェラたんとカノンたんでほっこり・・・出来るかなぁ?
そんな寒い日なので、シェラたんとカノンたんでほっこり・・・出来るかなぁ?
**********
「──ねぇ、シェラ」
久々にふたりきりになって、カノンはふと思いついてシェラに訊ねた。
「なぁに?」
相変わらず聖母のように美しくやさしい笑みを浮かべたシェラは、マシュマロの乗ったホットチョコレートをカノンの前に置いて、向かいの椅子に腰掛けた。
「あんまり意味がないことなんだけどさ」
「うん?」
「もし、シェラが女の人で」
「うん」
「父さんは男で」
「うん」
「生まれたぼくが、男を好きになったら、反対した?」
「──へ?」
思いがけない息子の言葉に、シェラは目をぱちくりさせた。
「反対?」
何で? とでも言いたげな表情に、カノンは苦笑した。
「いや、ほら。シェラも父さんも男だからさ、ぼくが彼氏を連れてきても、何も言わなかったのかなぁ、って」
「あんまり関係ないと思うけど? アー君いい子だし」
「まぁ、そうなんだけど・・・もしもの話」
カノンの菫色の瞳が、手元のカップを見つめている。
ふーふー、とマシュマロに風を送り、ズズッ、と熱いショコラを口にする。
「──彼氏、イケメン?」
「──へ?」
唐突なシェラの言葉に、カノンはぽかん、と口を開けた。
「背、高い? 髪と瞳の色は?」
「シェラ?」
「同い年? 年上? もしかして年下?!」
「・・・同い年、ですけど」
「同級生?! イケメン?!」
「・・・そこ、拘るなぁ・・・まぁ、そこそこ」
「ふぅん。面食いのカノンがそう言うんだから、相当イケメンなんだ」
「いや、別に」
「うっそー。絶対イケメンだよー。背も高いんでしょう?」
「・・・・・・」
ノリは完全に女子高生のそれである。
一体シェラはどうしちゃったんだろう? と内心で首を捻ったカノンだった。
「告白したの?」
「え?」
「付き合ってるんじゃないの?」
「あー・・・まぁ」
「カノンが告白したの?──あ、もしかして、今流行りの壁ドンされたとか?!」
きゃ~~~、と嬉しそうな声を上げるシェラに、カノンは「ぷっ」と吹き出した。
「・・・分かった、分かった。シェラは、たとえ女の人だったとしても、そういう反応するってことだよね」
「あ~ん、もう終わりか。結構楽しかったのに」
ふふ、と笑ったシェラも、自分用のホットチョコレートに口をつける。
「普通のご家庭って、どうなんだろうね」
「それぞれじゃない? アー君とこだって、反対したりしてないし」
「いや、芸術家のお宅は、結構そういうの頓着しなさそうっていうか・・・」
「あ、確かにそうかも」
天真爛漫なマリアはともかく、厳格な父を絵に描いたようなアルフレッドでさえ、決して自分の息子やカノンを貶めるようなことは口にしなかった。
「ぼくって、恵まれてるよなぁ」
「恵まれてる度なら私の勝ちだな」
「えー、何それ」
胸を張るシェラを見て、カノンは明るく笑った。
「カノンがどうしてそんなことを言い出したのかは分からないけど」
前置きして、シェラはにこりと笑った。
「相手が男だろうが女だろうが、『人を好きになれる』ってことが、私はすごいことだと思うんだ」
「──シェラ?」
「人を好きになるのも、嫌いになるのも、すごくエネルギーを使うんだよね。他人のためにエネルギーを使えるってことが、すごいなと思う」
「シェラは違うの?」
「私は育ち方が特殊だったから。その人のことを大事だと思う心が、自分自身のものなのか、誰かに作られたものなのか分からない時期があって」
「・・・・・・」
「何かもう、すごい色々あってヴァンツァーと暮らしてからだって、自分があの男をどう思ってるのかさっぱり分からなくて」
「・・・シェラは父さん大好きだよね」
「本気で自分が分からないんだけど、一緒にいるときの半分くらい、イラッとしてる気がするんだよ。なのに、何で一緒にいるんだ、って感じ」
「あはは!」
「ヴァンツァーも、あの見た目だからね。私以上に、恋愛に対しては省エネモードだったと思うんだ」
「んー。父さんの心を動かすのは相当大変だろうね」
あ、と気づいたカノンだった。
「省エネどうし、気が合ったとか?」
「気が合ったって言うのかなぁ? 喧嘩しかしたことないけど」
それも、シェラが一方的に怒っていることがほとんどだった。
「だってほら、怒るってすごいエネルギー必要だよ?」
「──あ、ほんとだ」
「じゃあやっぱり、シェラはずっと父さんのことが好きだったんだよ」
「うわー・・・過去の自分に『やめとけ』ってアドバイスしたい」
「えー、困る。ぼくたち生まれないもん」
「あー、それは私も困る」
顔を突き合わせて、くすくす笑いあった親子は、同時にカップを口にした。
「ぼくって幸せものだね」
「負けないぞ?」
真面目くさったお互いの言葉に、また明るい笑い声を響かせたのだった。
**********
相変わらず私の話はいい人といい子しか出て来ないな。
ま、この銀色親子は可愛いということで。
「──ねぇ、シェラ」
久々にふたりきりになって、カノンはふと思いついてシェラに訊ねた。
「なぁに?」
相変わらず聖母のように美しくやさしい笑みを浮かべたシェラは、マシュマロの乗ったホットチョコレートをカノンの前に置いて、向かいの椅子に腰掛けた。
「あんまり意味がないことなんだけどさ」
「うん?」
「もし、シェラが女の人で」
「うん」
「父さんは男で」
「うん」
「生まれたぼくが、男を好きになったら、反対した?」
「──へ?」
思いがけない息子の言葉に、シェラは目をぱちくりさせた。
「反対?」
何で? とでも言いたげな表情に、カノンは苦笑した。
「いや、ほら。シェラも父さんも男だからさ、ぼくが彼氏を連れてきても、何も言わなかったのかなぁ、って」
「あんまり関係ないと思うけど? アー君いい子だし」
「まぁ、そうなんだけど・・・もしもの話」
カノンの菫色の瞳が、手元のカップを見つめている。
ふーふー、とマシュマロに風を送り、ズズッ、と熱いショコラを口にする。
「──彼氏、イケメン?」
「──へ?」
唐突なシェラの言葉に、カノンはぽかん、と口を開けた。
「背、高い? 髪と瞳の色は?」
「シェラ?」
「同い年? 年上? もしかして年下?!」
「・・・同い年、ですけど」
「同級生?! イケメン?!」
「・・・そこ、拘るなぁ・・・まぁ、そこそこ」
「ふぅん。面食いのカノンがそう言うんだから、相当イケメンなんだ」
「いや、別に」
「うっそー。絶対イケメンだよー。背も高いんでしょう?」
「・・・・・・」
ノリは完全に女子高生のそれである。
一体シェラはどうしちゃったんだろう? と内心で首を捻ったカノンだった。
「告白したの?」
「え?」
「付き合ってるんじゃないの?」
「あー・・・まぁ」
「カノンが告白したの?──あ、もしかして、今流行りの壁ドンされたとか?!」
きゃ~~~、と嬉しそうな声を上げるシェラに、カノンは「ぷっ」と吹き出した。
「・・・分かった、分かった。シェラは、たとえ女の人だったとしても、そういう反応するってことだよね」
「あ~ん、もう終わりか。結構楽しかったのに」
ふふ、と笑ったシェラも、自分用のホットチョコレートに口をつける。
「普通のご家庭って、どうなんだろうね」
「それぞれじゃない? アー君とこだって、反対したりしてないし」
「いや、芸術家のお宅は、結構そういうの頓着しなさそうっていうか・・・」
「あ、確かにそうかも」
天真爛漫なマリアはともかく、厳格な父を絵に描いたようなアルフレッドでさえ、決して自分の息子やカノンを貶めるようなことは口にしなかった。
「ぼくって、恵まれてるよなぁ」
「恵まれてる度なら私の勝ちだな」
「えー、何それ」
胸を張るシェラを見て、カノンは明るく笑った。
「カノンがどうしてそんなことを言い出したのかは分からないけど」
前置きして、シェラはにこりと笑った。
「相手が男だろうが女だろうが、『人を好きになれる』ってことが、私はすごいことだと思うんだ」
「──シェラ?」
「人を好きになるのも、嫌いになるのも、すごくエネルギーを使うんだよね。他人のためにエネルギーを使えるってことが、すごいなと思う」
「シェラは違うの?」
「私は育ち方が特殊だったから。その人のことを大事だと思う心が、自分自身のものなのか、誰かに作られたものなのか分からない時期があって」
「・・・・・・」
「何かもう、すごい色々あってヴァンツァーと暮らしてからだって、自分があの男をどう思ってるのかさっぱり分からなくて」
「・・・シェラは父さん大好きだよね」
「本気で自分が分からないんだけど、一緒にいるときの半分くらい、イラッとしてる気がするんだよ。なのに、何で一緒にいるんだ、って感じ」
「あはは!」
「ヴァンツァーも、あの見た目だからね。私以上に、恋愛に対しては省エネモードだったと思うんだ」
「んー。父さんの心を動かすのは相当大変だろうね」
あ、と気づいたカノンだった。
「省エネどうし、気が合ったとか?」
「気が合ったって言うのかなぁ? 喧嘩しかしたことないけど」
それも、シェラが一方的に怒っていることがほとんどだった。
「だってほら、怒るってすごいエネルギー必要だよ?」
「──あ、ほんとだ」
「じゃあやっぱり、シェラはずっと父さんのことが好きだったんだよ」
「うわー・・・過去の自分に『やめとけ』ってアドバイスしたい」
「えー、困る。ぼくたち生まれないもん」
「あー、それは私も困る」
顔を突き合わせて、くすくす笑いあった親子は、同時にカップを口にした。
「ぼくって幸せものだね」
「負けないぞ?」
真面目くさったお互いの言葉に、また明るい笑い声を響かせたのだった。
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相変わらず私の話はいい人といい子しか出て来ないな。
ま、この銀色親子は可愛いということで。
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