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小ネタや更新記録など。妄想の赴くままに・・・
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いきなり5日間はしんどいね。いや、私よりも休み少なくて、しかも長時間働いている人なんて、山ほどいますけどね。でも、さすがにほぼ毎日2時間残業は参ったね。結局終わってないし(笑)長い休みがあると、仕方ないんですけどね。

最近は休みの前の日でも日付変わったくらいに寝るんですが、大抵9時近くまで爆睡。前は一応5時とか6時には目が覚めてたんですけど、ないない(笑)やはり、7~8時間の睡眠は必要ですな。

そうそう。デュオデシムは、012と013が終わったあとが長くて大変みたいです。そっちが本編らしい。012で新たに登場したキャラと、もとからいるキャラと、カオス側と、好きなキャラが使えるそうな。何かね、こっちはLv100までしか上がらないのに、敵は120とか130とかザラなの。よくある、よくある。で、5人でパーティ組んで攻略するから、当然少なくともパーティ組む5人はLv100にするのが当たり前。えー、クラウドとスコールに愛が偏った私にはちょっと・・・そして、更に残念なことに、敵に接近して斬ったり殴ったりするキャラだと、Lv130とかが相手になった場合、速攻返り討ち(笑)遠隔攻撃のある魔法キャラを使ったりするのがセオリーなのですが、だって、そいつらLv上げるならまだしも、アビリティ覚えさせるのが大変・・・。

個人的に、ゲームはエンディングを見るためにやっているので、クリアはしたい。しかし、クリアするのが死ぬほどキツい・・・というか、めんどい(笑)とりあえず、わらしべ長者で装備アイテム作っていこうと思います。

で、ゲームの合間に友達から教えてもらったフィギュアの感想書いてあるブログ読んでたら、何か書きたくなったから。

**********

死んでも頭を下げたくない人物のひとりを訪ねる気の重さに、ヴァンツァーはいつもの仏頂面を更に不機嫌にしていた。
目的の人物の無駄に大きい屋敷に着くと、これまた無駄に広い居間に通された。
どこの宮殿だ、という豪華な、しかし悪趣味ではない内装に目を遣り、ひとつため息を零す。

「やぁ、待っていたよ」

声を掛けられて振り返ると、淡麗な容貌に荘厳な雰囲気を同居させた壮年の男の姿があった。
綺麗に撫で付けられた髪は、白髪ではなく銀髪。
同じ色の瞳は見るものによって冷たくも熱くもなる。
ヴァンツァーも大層な美貌の主だが、この屋敷の主人も一度見れば忘れられないような美しい男だった。
均整の取れた身体で背筋はピンと伸び、惚れ惚れするような男ぶりである。

「・・・おひさし」
「──ようやくわたしのものになる気になったか」

嫌々ながら挨拶をしようとしたヴァンツァーの前へ、銀髪の男は水際立った動作で足音ひとつさせず滑るようにして近づいてきた。
慣れた仕草で、外見だけは文句のつけようのない美青年の腰を抱く。

──ぶんっ。

「ぶっ飛ばしますよ」
「そういうことは、殴る前に言うものだよ」

反射的に手が出たヴァンツァーに怒りもせず、男はくすくすと笑った。
ヴァンツァーの拳はしっかりと手のひらで受け止められている。

「で、何の用だい?」

ヴァンツァーに席を勧め、男は絢爛豪華な室内に相応しいアンティークのテーブルについた。
丁度良く、執事がワゴンにティーセットを載せてやってきた。

「育てたい、選手がいます」

単刀直入に切り出す。
もとより、長居する気はないのだ。
その気配に気づいているのかいないのか、執事はまず屋敷の主人に、そして立ったままのヴァンツァーの席にもカップを用意した。

「お前の弟子のことか」
「はい」
「わたしに何をしろと?」
「分かりません」

あまりにも自然にそう返されたので、屋敷の主人は一瞬言葉を失った。
銀色の瞳が真ん丸になり、次いで困ったように苦笑を浮かべた。

「・・・こらこら。お前がわたしを頼って来るくらいだから、よほど大事な弟子なのだろう?」
「さぁ」
「ヴァンツァー?」
「本当に、よく分からないんです」

首を捻る美貌の青年に、男は再度座るよう促した。
ちょっと嫌がったものの、仕方なさそうに席についたヴァンツァーは、訥々と語り始めた。

「才能のあるスケーターであることは間違いありません。技術も、芸術性も・・・100年に一度と呼ばれてもおかしくない」

自分の中にある言葉を探るように、纏まらない言葉を少しずつ口に乗せる。

「傑出した才能に甘んじることなく努力を重ねることが出来る、アスリートでもある。男子選手に匹敵するプログラムを滑り込む根性があって・・・でも、時々驚くほど脆い・・・何をしても傷ひとつつかないダイヤモンドだと思って力を込めた次の瞬間、粉々に砕け散る硝子細工のような・・・」

シェラは、フィギュアスケートに必要なすべてを持っている。
才能も、努力も、美しさも強さも繊細さも。
何もかもを持っているはずなのに、その歯車が噛み合わない。
既にすべてを持っているように見えるからこそ、何をすればいいのか分からない。
もちろん彼はコーチとしては駆け出しだったが、この世界では決して素人ではない。
やらなければならないこと、やるべきこと、やってはいけないこと。
それらは経験として知っているつもりだった。

「・・・何が足りないのか・・・まるで分からないんです」

もしここにシェラがいたら、この青年のあまりにも自信なさ気な様子に天変地異の前触れかと思ったに違いない。
傍若無人、厚顔不遜。
常に王者のような風格でそこに存在している男が、迷子になった子どものように途方に暮れている。

「──あの子は、絵画のようだね」

優雅に紅茶のカップを持ち上げた男の言葉に、ヴァンツァーは顔を上げた。

「それか、宝石だ。わざわざ自分を売り込まなくとも、誰もがはっとする美しさを生まれながらにして持っている。すらりと長い手足、愛らしい顔立ち。もちろんそれは、スケーティングの美しさにも言えることだ。非凡なる才能の上に努力を重ねると、人はもう、存在そのものが芸術の域に達することが出来る」
「ずいぶんと褒めますね」
「わたしが美しいものをこよなく愛しているのは、よく知っているだろう?」

にこり、と微笑む男に、ヴァンツァーは軽く肩をすくめた。

「たとえば今季のエキシビションのプログラム。あれは、カリンが作ったものだね?」
「えぇ」
「わたしはあれが大好きなのだよ。まさに氷上のバレリーナだ。ショパンの叙情的な音は、彼女によく合う」
「本人も、ショパンは好きだと言っています」

普段はクラシックなど聴きそうもないじゃじゃ馬だというのに、きらきらと星が降ってくるようなピアノの調べは、彼女のためにあるような気すらしてくる。

「同じ曲でも、衣装ひとつでまったく違うプログラムに見える。これは、彼女が無垢な証拠だとわたしは思っている。白い衣装で踊るショパンは、憧れのプリマがひとり練習する姿を見つめる少年の気持ちにさせてくれる。静かな雨の降る日に、練習室の窓からそっと中を覗くような、ね。どこか崇高で、触れてはいけないものなのだ、と思わせる」

軽く目を伏せ、ヴァンツァーは茶器に手を伸ばした。

「黒と白の衣装は、もっと初々しい感じだ。初めて舞台に立った才能溢れる少女が、踊ることが楽しくて仕方ない、といった風に練習をしている。まるで、バレエやショパンに恋をしているような軽やかさだ。何が違うというわけでもないのに、何もかもが違う。きっと彼女は、百通りの舞踏だってこなせるだろう」

これにはちいさく笑ったヴァンツァーだ。

「俺もそんなに褒めてもらったことはないなぁ」
「おや、やきもちかね」
「いいえ」

きっぱりと言い切り、ヴァンツァーは真っ直ぐに銀色の瞳を見つめた。

「その才能を、育ててみたくはありませんか?」
「なぜわたしに?」
「分かりません。──ですが、あれに足りないものを、あなたは持っている。俺は、そう確信しています」

自分にも分からないものを、目の前の男は知っている気がする。
そう思ったからこそ、非常に気乗りはしないがここまでやってきたのだ。
真剣な表情に、銀色の瞳が細められた。

「そんなに難しいことではないのだよ」
「え?」
「彼女は、神の御使いなのだ」
「・・・は?」
「そこに存在するだけで、人々は目を奪われ彼女をうっとりと見つめる。同時に、あまりの美しさに畏怖すら覚える。彼女に反発を抱くものは、己の醜さを暴かれるようで居た堪れないのだよ。音もなく、氷の上数センチのところを浮いているように滑り、そこだけ重力などないかのように振舞う。翼が生えたようにね。彼女の存在は奇跡であり、観客はその恩恵を受け取っているに過ぎない」
「・・・・・・」

惜しげもなく並べ立てられる賞賛の言葉に、ヴァンツァーは絶句した。

「今季の『愛の夢』。あれはまさしく、観客を夢の世界へと誘う演技だ。たとえジャンプで失敗しても、リンクの上に広がる幻想的な空間に観客は酔い痴れる。もしあのプログラムが完成したら、それはもう、勝つとか負けるとかいう次元ではなくなる」
「・・・・・・」
「彼女のスケートは、無垢なのだ。あの細い身体と年齢では考えられないような苦労や、辛い思いをしたこともあるだろうに、それでも彼女の演技には淀みがない。清水のように清らかだ」
「あいつは馬鹿だから、そういうの全部忘れてしまうんですよ」

少し笑ったヴァンツァーに、男は頷いた。

「人間は、忘れよう、忘れたい、と思ったことほど克明に記憶してしまう。だから、忘れられるということもある種の才能なのだ。」
「紙一重、ですか」
「忘れられるからこそ、彼女の演技は観客やジャッジに媚びることがない。対話をする相手は常にスケートだ」
「そう。だから、選手と対話をしている気にならない、と感じてジャッジはあれに点を出さない」
「まったくもって愚かしい」
「俺もそう思います。今のジャッジは、与えられなければ何も出来ない。己の眼で、己の心で感じるということが出来ない。一部の解説やマスコミもそうだ」
「ずいぶん腹を立てていると、レティシアから聞いているよ」

少しバツが悪そうな顔になるヴァンツァーだった。

「彼女はきっと、スケートがとても好きなのだろうね。彼女の演技には、スケートに対する溢れんばかりの愛がある」
「それはもう、呆れるほど」
「我々は、その愛の一端に触れる──だからこそ、彼女の演技は感動的なのだ。わざわざ外に向けてのアピールなどせずとも、十分に美しい」

言って、男は苦笑した。

「ほら。わたしに出来ることなど、何もないよ? 彼女はもう、既に遥かな高みにいるのだから。強いて言うならばジャンプなのだろうが、それはお前が見ているのだろう?」

ヴァンツァーは首を振った。

「ひとつ分かったことがあります」
「何だい?」
「その前に。俺に手を貸してもらえますか? もらえませんか?」

壮年の男は、目を丸くすると軽く息を吐き出した。

「わたしが、お前の頼みを断ったことがあったかい?」

ヴァンツァーは、それはそれは美しい微笑みを浮かべた。


**********

・・・やべぇ。ついパパ出しちゃった・・・。

「おねだりひとつでキス1回だよ」と言い出すパパが見たい。
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