小ネタや更新記録など。妄想の赴くままに・・・
爽やかな朝です。昨日は久々に会ったいとこがGACKT好きだということが判明。舞台も、来月のライヴも、すごい羨ましがられました。彼女も、先日食事した友人も、「お人形さんみたいだよね!!」と言っていました。ほらな。みんな美形が好きなんだよ(笑)
とりあえず、記念小説のヴァンツァーは、眠狂四郎を目指します。いや、マザコンは除外したいけど、それを除外して果たしてねむたんと言えるのかどうか・・・悩む。
とりあえず、記念小説のヴァンツァーは、眠狂四郎を目指します。いや、マザコンは除外したいけど、それを除外して果たしてねむたんと言えるのかどうか・・・悩む。
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「おれも着替える~」といって、なぜかスカートだのバンダナだのアクセサリーだのを買い込んで着替えたライアンを見て、キニアンは感嘆のため息を零した。
「・・・あんたの色彩感覚ってすごいな」
「褒め言葉かな?」
「もちろん。良かったよ。あんたがそれなら、俺あんまり目立たないな」
ほっと安堵の息を吐く少年に、ライアンはぱちぱち、と瞬きした。
「・・・パパさん。おれ、賭けてもいいけど、アー君この建物の中でナンパしたら成功率90%超えると思うんですけど」
「俺もそう思う」
「おれだってふらふらついていっちゃいそうだもん」
「あんたなぁ・・・」
呆れるキニアンに、贅沢を言うなら、と付け足したライアンだ。
「もうちょっと胸筋があると完璧」
ペタペタ、とライアンがキニアンの胸に触るのを見て、失神した女の子がいるとかいないとか。
「パパさんは着替えないんですか?」
「うん。シェラの服と合うようにしてきたから」
「──あぁ、なるほど」
ペアルックというわけではないが、色味や形など、シェラ自身が気づいているかどうかは別として、ヴァンツァーの中ではこだわりがあるらしい。
「──さて。じゃあ、お姫様たちのところに戻りますか」
メンズグループが人の視線と、何人かの人間そのものも引き連れてカフェに行くと、シェラとソナタは手を叩いて喜んだ。
「ライアン、アラブの王子様みた~い」
「かっこいい?」
「かっこ可愛い!」
「あはは。ありがとう」
水色を基調とした極彩色のプリントのあるひらひらとした薄手の服を重ね、金色の頭右半分が隠れるようにバンダナを巻き、その上からトルコ石を基本に天然石で作られた長いネックレスを二重三重にして乗せている。
ブレスレットやアンクレットなどで褐色の肌を彩った姿は、極力露出を抑えているというのに──否、だからこそ、そこはかとない色気を感じさせる。
『王子様』と評したソナタは上機嫌で、「可愛い~綺麗~かっこいい~」を繰り返している。
「お兄ちゃん、どう?」
ライアンは、カノンの睨むような視線を受けてたじろいでいる少年の腕を軽く叩き、『自信を持て』とばかりに励ましてやった。
「・・・中の上」
ぼそっと呟いたカノンに、キニアンは新緑色の瞳を丸くした。
「ってことは・・・並みより上だよな?」
「・・・さっきよりは、マシなんじゃないの?」
ふいっ、と横を向いてしまったカノンなのだが、キニアンは何だか『ほわぁぁぁ』と瞳を輝かせている。
きっと、尻尾があったらぶんぶん振っているに違いない。
そんな高校生カップルを見て、ライアンは明るく笑った。
「お兄ちゃん、可愛いなぁ」
「・・・なにが」
「だって、おれがさっき『中の上の方が嬉しい』って言ったの、覚えてたんでしょう?」
え? と目を丸くするキニアン。
カノンが忌々しげな視線を向けても、王子様になった青年はまったく意に介した様子がない。
「だから、本当は『上の中』より上なんだよね?」
まぁ、最初からそう思ってるのは分かってるけど、とにこにこしている青年に、カノンはちいさく舌打ちをした。
「・・・ってことは・・・お、俺、3階級特進?!」
マジか!! と興奮気味になったキニアンに、カノンは『お前も喋るな』とばかりのひと睨みを与えた。
赤いスタンドカラーのジャケットに、インナーは白のタンクトップ。
ライアンの言うようにもう少し胸の筋肉が発達していれば更に見栄えはしたのだろうが、細身だけれど引き締まった身体の線はそれだけで美しい。
脚の長さを際立たせるボトムは黒のレザーで、同じく革のチョーカーを首に巻いている。
ブーツもかなりがっしりとしたタイプだが、もともと長身なので厚みはほとんど必要なかった。
いつもの無表情で黙って立っていれば、それこそ女の子の方から勝手に近寄って──それも、彼氏を捨てて──くるに違いない。
憮然とした表情の女王様からものすごい高評価を頂戴した──と本人は思っている──少年は、この興奮を誰に伝えればいいのか、といったような、珍しく落ち着きのない態度を見せている。
「お前は着せ替えごっこしなかったのか?」
「十分だろう?」
「・・・自分で言わなければな」
馬鹿め、といった顔つきになったシェラとは対照的に、ヴァンツァーは至極満足そうな顔をしている。
カフェ内部が騒然となり、出ようかとしたド目立つ一行だったが、店主から「お代は結構ですから!」と土下座せんばかりに懇願されてもうしばらくティータイムを過ごすことにした。
正直、お金を払っても静かな場所でゆっくりしたかったのだが、この面子ではどこへ行っても無理だろうな、と全員が思っていた。
閑古鳥は鳴かないまでも、オープン当初の賑わいからは遠く離れていたショッピングモールとしては、彼らのように客を引き連れてきてくれる存在は、それだけでありがたいものだった。
それがカネを落としていくとなれば尚更。
そうして、決して落ち着くことは出来ないティータイムを過ごした3組のカップルは、「閉店まで!」と言いそうな勢いの店主に有無を言わせず、カフェをあとにした。
店を出てもきゃーきゃー言われていた彼らだったが、どう考えても女の子だと思われているシェラとライアンを除くと、歓声の元と思われる『男性』は3人。
そのうち、現在間違いなく一番目を引いているのは、真紅のジャケットに身を包んだもっとも長身の少年であろう。
自覚がないのは本人ばかりで、シェラとソナタなど「「すごいねー」」などとのんびりしたことを言っている。
ちらちらどころではなく女性たちの視線を受け取っている少年は、くいっ、と引っ張られる感覚に足を止めた。
見れば、自分以上の仏頂面をしている女王様が、ジャケットの裾を掴んでいる。
軽く首を捻ったキニアンは、「どうした?」と訊ねてみた。
「別に」
殊更『べ』を強調した言い回しにこれまた首を傾げたキニアンは、「離して」と言った。
すると、天使と評判の美貌が思い切り顰められた。
一度キニアンのジャケットの裾をぎゅっと握ったカノンだったが、言われた通りに離した。
「──こっちの方がいいだろう?」
しかし、直後その手を取られ、しっかりと大きな手に握られたので、目を瞠って端正な横顔を見上げた。
「嫌か?」
珍しく笑みを浮かべている少年に、カノンは反射的に首を振ってからはっとした。
「・・・べ、別に、繋いであげてもいいけど」
「うん、じゃあこっちで」
ツンと澄ましている女王様だったが、羨ましそうにこちらを見てくる女性たちに『ふふん』とばかりの得意気な顔を向けた。
そんなカノンの様子が、見なくても手に取るように分かるもう2組のカップルは、くすくすと笑いながら休日の残りの時間を楽しく過ごしたのだった。
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こんなんでいいのか?
キニアンはちゃんとかっこいいか?
ヴァンツァーはイケてるか?
ライアンが素敵なのは知ってる(笑)
シェラとソナタがきゃわわで、カノンは眩暈がするくらい可愛いのも知ってる(笑)
さぁ、これでどうだ?!
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