小ネタや更新記録など。妄想の赴くままに・・・
『ファイアーエムブレム~新・紋章の謎』、ようやくクリアしました。いやー、エンディングで毎回泣かされたり笑わされたりする『ファイアーエムブレム』(FE)シリーズですが、今回も泣いた、泣いた(笑)人の弱さと強さ、そして絆の大切さを教えてもらいました。やはりFEは名作じゃ。このゲームをプレイする人が『真性ゲーマー』だの、『軍事オタク』だの、ゲームそのものが『腐女子ホイホイ』だの言われようと、私はFEが大好きだ。
さて。やはりこれをクリアしたら書かないわけにはいかない小ネタ。以下、FEをご存知ない方のためにもなんとなーく雰囲気が伝わるよう、『紋章の謎』の前作であり、FEシリーズの輝く1作目である『暗黒竜と光の剣』のあらすじをば。
~あらすじ(ウィキペより抜粋)~
地竜王メディウスと勇者アンリとの戦いから100年後、突如復活したメディウスにより、アカネイア大陸は戦乱の時を迎える。アンリが建国したアリティアもメディウス率いるドルーア帝国とその連合軍によって滅ぼされてしまった。王子であるマルスは姉のエリスの助けによって、辺境の国のタリスへと亡命するも、エリスはドルーア帝国に味方する魔道士ガーネフによってさらわれてしまう。
2年後、マルス達アリティアの戦士たちはタリス城の海賊襲撃をきっかけに、ドルーア帝国を打破するべく、そして愛する姉を取り戻すべく立ち上がるのであった。
~抜粋終わり~
以下、橘の合ってるんだか合ってないんだか分からない解説。
アカネイア大陸の宗主国であるアカネイア王国は、ニーナ王女を残し、王族はすべて処刑された。そのときアカネイアを滅ぼすべく軍を率いていたのは、大陸最強と名高いグルニアの騎士カミュ。誇り高い騎士であるカミュは自国の民以外のものでも護ろうとする騎士の中の騎士であり、祖国グルニアがドルーアに加担したのも快く思わなかった。しかし、騎士としての祖国への忠誠心も厚い彼はせめて自らの手で兵を率いよう、とアカネイアへと侵攻した。しかし、王女であるニーナを処刑することができず、その後必要以上に危険な戦地へ送られたり、ドルーアへ捕らわれたりした経験もある。
私が愛しているのは、そんなグルニア国の黒騎士団長・カミュ。この人がまた、ずるいぐらい強い(笑)『暗黒竜』で出てきたときは、彼を足止めしておいてその間に敵将を倒すために、確かそのときのうちのパーティで一番強い騎士を当て馬にして戦死させた記憶がある(笑)カミュ自身のパラメーターも異常なら、持ってる武器も異常。アカネイアの三種の神器のひとつ、神槍グラディウス。まー、基本攻撃力が高い上に間接攻撃も出来るずるい武器。敵が持ってると恐ろしいが、味方が持ってるとこんなに心強い武器もない。
そのカミュが、グルニアへと兵を率いてきたマルス王子と対峙することになりましたとさ。戦いの無意味さを説くマルス王子。マルスに保護されていたニーナも戦場に現れ、「わたしに力を貸して下さい」と頼む。しかし、今にも滅ぼうとしている祖国を裏切ることは出来ない、とグラディウスを構えるカミュ。この戦いのあと姿を消したカミュ。ニーナはカミュへの想いを抱えつつも、祖国のためにハーディンという騎士と結婚する。が、ニーナの心が別のところにあると知ったハーディンは、闇に心を捕らわれ、『紋章の謎』が開幕するんですなー。『紋章の謎』の中でカミュは身分を隠し、流浪の騎士・シリウスとして登場。マルスたちの軍に参加。ハーディンは倒され、ガーネフやメディウスも再び倒され、大陸は復興のときを迎えます。シリウスは戦いが終わったあと誰にも知られずに姿を消しました。で、アカネイアはマルスが連合国の宗主となって、再興の道をたどります。
そんなオイシイお話でした。
そんな感じで、いつもの自己満小ネタいってみよ。
さて。やはりこれをクリアしたら書かないわけにはいかない小ネタ。以下、FEをご存知ない方のためにもなんとなーく雰囲気が伝わるよう、『紋章の謎』の前作であり、FEシリーズの輝く1作目である『暗黒竜と光の剣』のあらすじをば。
~あらすじ(ウィキペより抜粋)~
地竜王メディウスと勇者アンリとの戦いから100年後、突如復活したメディウスにより、アカネイア大陸は戦乱の時を迎える。アンリが建国したアリティアもメディウス率いるドルーア帝国とその連合軍によって滅ぼされてしまった。王子であるマルスは姉のエリスの助けによって、辺境の国のタリスへと亡命するも、エリスはドルーア帝国に味方する魔道士ガーネフによってさらわれてしまう。
2年後、マルス達アリティアの戦士たちはタリス城の海賊襲撃をきっかけに、ドルーア帝国を打破するべく、そして愛する姉を取り戻すべく立ち上がるのであった。
~抜粋終わり~
以下、橘の合ってるんだか合ってないんだか分からない解説。
アカネイア大陸の宗主国であるアカネイア王国は、ニーナ王女を残し、王族はすべて処刑された。そのときアカネイアを滅ぼすべく軍を率いていたのは、大陸最強と名高いグルニアの騎士カミュ。誇り高い騎士であるカミュは自国の民以外のものでも護ろうとする騎士の中の騎士であり、祖国グルニアがドルーアに加担したのも快く思わなかった。しかし、騎士としての祖国への忠誠心も厚い彼はせめて自らの手で兵を率いよう、とアカネイアへと侵攻した。しかし、王女であるニーナを処刑することができず、その後必要以上に危険な戦地へ送られたり、ドルーアへ捕らわれたりした経験もある。
私が愛しているのは、そんなグルニア国の黒騎士団長・カミュ。この人がまた、ずるいぐらい強い(笑)『暗黒竜』で出てきたときは、彼を足止めしておいてその間に敵将を倒すために、確かそのときのうちのパーティで一番強い騎士を当て馬にして戦死させた記憶がある(笑)カミュ自身のパラメーターも異常なら、持ってる武器も異常。アカネイアの三種の神器のひとつ、神槍グラディウス。まー、基本攻撃力が高い上に間接攻撃も出来るずるい武器。敵が持ってると恐ろしいが、味方が持ってるとこんなに心強い武器もない。
そのカミュが、グルニアへと兵を率いてきたマルス王子と対峙することになりましたとさ。戦いの無意味さを説くマルス王子。マルスに保護されていたニーナも戦場に現れ、「わたしに力を貸して下さい」と頼む。しかし、今にも滅ぼうとしている祖国を裏切ることは出来ない、とグラディウスを構えるカミュ。この戦いのあと姿を消したカミュ。ニーナはカミュへの想いを抱えつつも、祖国のためにハーディンという騎士と結婚する。が、ニーナの心が別のところにあると知ったハーディンは、闇に心を捕らわれ、『紋章の謎』が開幕するんですなー。『紋章の謎』の中でカミュは身分を隠し、流浪の騎士・シリウスとして登場。マルスたちの軍に参加。ハーディンは倒され、ガーネフやメディウスも再び倒され、大陸は復興のときを迎えます。シリウスは戦いが終わったあと誰にも知られずに姿を消しました。で、アカネイアはマルスが連合国の宗主となって、再興の道をたどります。
そんなオイシイお話でした。
そんな感じで、いつもの自己満小ネタいってみよ。
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──何かの間違いだと思った。
「──・・・・・・ニーナ・・・王妃」
仮面の奥の瞳を瞠り、目の前に佇む細い身体を凝視する。
華奢な女性だというのに、その瞳は力強く輝き、ピンと伸ばされた背はそれだけで他者を圧倒する力がある。
大国アカネイアの王女として生まれ、王妃となったニーナ。
人の上に立つべくして育てられた過去と、彼女自身の気高さが醸し出すオーラが、眩いばかりに彼女を包み込んでいる。
こんなところにいてはいけない人だ。
彼女は、戦争の終わったアカネイアの首都・パレスで、今度こそ幸せに暮らしていなければならない。
けれど、彼女の姿を、この自分が見間違えるわけもなかった。
「もう、王妃ではありません」
少し寂しそうに、それでもどこか晴れやかな顔でそう告げる美貌。
生来きつめの顔立ちだが、それは人の上に立つものとして笑うことも、泣くことも自らに禁じてきた彼女の生き方をも表していた。
それが、ほんの僅か口許を綻ばせただけで、花が咲いたような笑みとなる。
かつて、彼女を連れての逃亡生活で、時折垣間見ることが出来た笑みと同じだった。
「・・・・・・」
胸が突かれる思いがしたが、仮面の奥、ぐっと表情を引き締める。
「・・・従者は?」
「おりません」
「──馬鹿な! おひとりでここまで来たというのか?!」
思わず舌打ちを漏らしたシリウス。
「大陸全土を巻き込む戦争が終わったとはいえ、盗賊や蛮族はどこにでも存在する。それを、アカネイアの王族であるあなたが供も連れずに歩いていたら──」
「──王位は、捨てて参りました」
「──・・・な・・・?」
今しがた耳にした内容が呑み込めず、シリウスは仮面の奥で眉宇をひそめた。
「アカネイア連合国の宗主は、アリティアの国王マルス殿が務められます。今のわたしは、王族でも何でもありません」
「・・・・・・馬鹿なことを」
「そうでしょうか?」
「決まっている。あなたには、これから幸せな暮らしが」
「──では問います。わたしの幸せとは、何でしょうか?」
「・・・それは・・・戦争の終わったパレスで、何不自由することなく、今度こそ愛するものと」
「カミュ、わたしは思うのです」
「・・・以前にも言った。わたしはシリウス。カミュなどというものではない」
「では、シリウス。少し、話を聞いてもらえますか?」
「・・・・・・」
シリウスの無言を肯定と取ったのか、ニーナは静かな口調で語り始めた。
「かつて、ドルーアに捕らえられ、殺されそうになったわたしを助けた騎士がいました」
「・・・・・・」
「何百という追っ手がかかっている中、その騎士は満足な武器もないのにたったひとりでわたしを護りました。さっさと差し出すなり殺すなりしてしまえばいいのに」
皮肉気に歪む唇。
形の良い眉が寄せられる。
「その騎士は大陸最強と言われた名将でしたが、あまりの敵の多さに傷を負うこともしばしば・・・幸い、わたしは治癒の魔法を使えました。けれど、いつまでもそのような逃亡生活が続けられるわけもないことは、愚かなわたしにも分かっているつもりでした」
「・・・・・・」
「だから、ある日言ったのです。──『わたしを、殺しなさい』と」
「・・・・・・」
「そのとき、その騎士が何と言ったか分かりますか?」
「・・・知らぬ」
ニーナはそっと目を伏せ、薄く微笑んだ。
「その騎士は言いました。──『ならば、姫がわたしを殺すがいい』、と」
「・・・・・・」
「『わたしの命がある限り、力あるものが弱きものを虐げるのは見過ごせない』・・・とも。そのときに思ったのです。わたしに戦う力がないから、彼は傷つかなくてはいけないのだ、と」
「違う、それは」
「大した力はありませんが、これでも司祭。攻撃魔法を操ることも出来ます。人を傷つける魔法はあまり好きではありませんが、わたしも戦うことが出来れば、きっと彼の負担も減るだろう、と」
そうして、ニーナは街で魔道書を手に入れると、ひとり宿を抜け出したのだった。
「・・・すぐに、追っ手に囲まれました。ひとり、ふたりならまだしも、数人に囲まれてしまってはどうすることも出来ないのだ、とそのとき初めて知りました」
「当たり前だ。あなたは大国の王女。兵に護られるべき立場であって、自らが戦う必要などないのだ」
「ですが、わたしひとりを逃がすために、名誉ある将がその名を貶め、祖国から裏切り者の汚名を着せられるなど耐えられません」
「・・・それは、その騎士が勝手にしたことだろう? あなたが気に病むことはない」
その言葉に、ニーナはちいさく笑った。
顔を上げ、仮面の奥の瞳をじっと見つめる。
「同じことを言うのですね」
「・・・・・・」
「すぐにわたしの後を追ってきたのでしょう。殺されそうになっていたわたしは、またもや彼に命を救われたのです」
にこり、と微笑むニーナ。
「生まれて初めて、引っ叩かれました」
「・・・・・・」
「痛みよりも、びっくりしてしまって何も言えませんでした。そんなわたしに、彼は言ったのです。『人の痛みを知らぬものは、人の上に立つ資格などない。あなたの命が失われれば、アカネイアは完全に滅亡する。そうなれば、民は国を失い、護ってくれる剣や盾を失い、搾取されるしかなくなるのだ』と。けれど、わたしひとりで何が出来るでしょう? そんな思いを抱えたまま、わたしはオレルアンへ逃がされました・・・それからは、オレルアンの王弟であるハーディンとその騎士団に保護されました」
「・・・・・・」
「そうして、やがてマルス王子がやってきたのです」
そこまで話したニーナに、シリウスは「それで?」と告げた。
「わたしには、何の関係もない話だ」
「その後、わたしを助けてくれた騎士はそのことが元となってドルーアで捕らわれていたと聞きます。けれど、彼の騎士としての力は大陸全土に轟くほどのもの。戦況が進むにつれて、ついにその騎士と再会することが出来ました──もちろん、戦場でのことですが」
「だから、それがどうしたというのだ」
「そのとき、わたしは彼に言いました。どうか、力を貸して欲しいと。けれど、彼は滅び行く祖国を裏切ることは出来ないから、と背を向けました。・・・彼らしい、言葉だったと思います」
「王妃、話がそれだけなら」
「そのとき、彼はこうも言ったのです」
「・・・・・・」
「『短い間だったけれど、楽しかった。どうか、幸せになって欲しい』と・・・その戦いのあと、彼の行方は知れません」
ほぅ、とため息を吐くニーナ。
「・・・わたしは、戦いが終わったあとハーディンと結婚しました。臣下の中にはマルス王子との婚姻を勧めるものもおりました。しかし、王子にはシーダ王女という婚約者がいます。ふたりを引き裂くことは出来ませんでした。先の戦争の前にも、今回も、アカネイア王家の代理の証として、わたしはマルス王子にファイアーエムブレムを託しました。アカネイア王家の人間がその伝説の紋章を使うと、愛するものとは結ばれないという言い伝えがあります。百年前のメディウスとの戦争のときの勇者アンリと、アカネイアのアルテミス王女がそうであったように・・・あぁ、こういうことなのか、と思いました」
ニーナは胸の前でぎゅっと手を握った。
「そして、わたしのその愚かな想いがハーディンを傷つけ、この度の戦争を引き起こしてしまった・・・わたしの愚かさのせいで、また、多くの騎士や民が傷つきました・・・」
「王妃・・・」
「最初に言いました。わたしはもう、王妃でも王族でもありません」
「・・・・・・」
「あなたは先日わたしをメディウスの呪縛から解き放ってくれたときに言いました。国で、待っている人がいる、と・・・」
「・・・・・・」
声が震えそうになるのをぐっと堪え、ニーナは真っ直ぐに男の仮面の奥の瞳を見据えた。
「・・・あなたは、その人を愛しているのですか・・・?」
「・・・・・・」
「・・・教えて下さい・・・カミュ・・・」
「だからわたしは」
「カミュ・・・お願い・・・」
はらり、とニーナの瞳から涙が零れた。
王女として、王妃として、常に気丈に振る舞い、人前で泣いたことのない彼女の、初めての涙だった。
「その人を、愛している、と・・・これからは、その人を護っていくのだ、と・・・それなら・・・そう、言って下さい・・・」
「・・・聞いて、どうするのだ」
「何も・・・何も、望んでいません・・・」
「・・・・・・」
「エムブレムを使ったわたしは、愛する人と添い遂げることは出来ないのでしょう。ですから、もう、そのような未来を望んでいるわけではないのです」
「・・・・・・」
「けれど、せめて・・・せめて、あなたの口から聞きたい・・・そして、許して欲しいのです」
「・・・許す・・・?」
訝しむシリウスに、ニーナは涙ながらに微笑んだ。
「あなたを・・・カミュを・・・想い続けることを・・・」
「──ニーナ・・・」
「それだけは・・・どうか、お願い・・・」
──それ以外、何も望まないから。
そう告げるニーナを、気づいたら抱きしめていた。
きつく。
掻き抱くように。
嗚咽を漏らして泣き出したニーナに、シリウス──カミュはため息とともに告げた。
「・・・あなたは、愚かだ」
「・・・はい」
「パレスで、何不自由なく暮らせばいいものを」
「はい・・・」
「わたしには、今や何の地位もない。将としての名声も・・・あるのは、1頭の馬と、この身体・・・僅かな武器だけだ」
「はい」
「王宮で暮らしていたあなたに見合うだけの暮らしなど、させられない」
「・・・言いました。何も、望まないと。あなたがいてくれるなら・・・それ以上、何もいりません」
「きっとこれからはマルス王のもと、平和な世になる。それでも、盗賊や荒くれ者がいなくなるわけではない」
「・・・覚悟、しています。わたしも、戦えるように──」
「──わたしが護る」
「──・・・カミュ」
目を瞠り、長身を見上げる。
仮面越しの瞳が、真っ直ぐに見下ろしてくる。
「あなたは・・・わたしが、命に代えても護る」
「・・・・・・」
「だから、ひとつだけ約束して欲しい」
「・・・約束?」
ニーナを抱きしめていた腕を解き、仮面を外す。
金色の髪と、騎士としては端麗すぎる美貌が現れた。
常に先を見据え、いつでも、誰に対しても誠実であった翡翠の瞳。
焦がれた、春の若葉の色だ。
ニーナの菫色の瞳を見つめ、カミュはそっと、涙に濡れたやわらかな頬に触れた。
「──どうか・・・笑って」
わたしもそれ以外、何も望まない。
そう告げるカミュにニーナは一瞬目を瞠り、そして涙とともに満面の笑みを浮かべ、力強く頷いた。
**********
あー、何だこれ。何で書きながら号泣してんだ、俺(笑)
とりあえず、このふたりには幸せになってもらいたいんだよ。知らない人には何も分からない話で申し訳ありませんが、私が楽しいからそれでいい。うん。
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