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小ネタや更新記録など。妄想の赴くままに・・・
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ボカロ・シェラとマスター・ヴァンツァーな話が頭の隅っこでちらほら・・・

『声』とか、『調教』とか、『マスター』とか、ボーカロイドには萌え要素がたくさん♪(コラ)
逆だとKAITO並みにヴァンツァーがヘタレるから却下(笑)・・・まぁ、シェラに猫コスさせて無表情のまま鼻血出しそうになってるマスター・ヴァンツァーも嫌ですけど・・・

がくっぽいどはもちろん持ってますけど(笑)そういや、全然触ってないなぁ・・・拗ねてるかも(^^;)

ちょっと覗いてみる?


**********

「──マスターは、どうして私を買ったんですか?」

長い銀色の髪のボーカロイドは、傍らで黙々とパソコン画面上のソフトに音階と歌詞を入力している黒髪の男に訊ねた。

「何の話だ」

作業の手を止めない男に、銀髪のボーカロイドは拳を握った。
途端に、黒髪の男が眉を顰めて振り返った。
眼鏡をかけていても隠せないほどの美貌の主。

「シェラ、ノイズが入った」
「・・・答えて下さい」
「だから、言っている意味が分からない」

ため息を零して肩をすくめる男に、シェラという名のボーカロイドは、ずっと訊きたくて仕方のなかったことを質問した。

「・・・だって・・・マスターは私に女の子の歌ばっかり歌わせるから・・・私は、こんな名前でも男なのに・・・女の子がいいなら、みくちゃんとかりんちゃんとかにすれば」
「──馬鹿か?」

ボーカロイドの自分ですら聴き惚れそうになる声が、そんなことを言う。
ぐっ、と唇を噛むと、「ノイズが出る」とまた怒られた。
むぅぅ、と唇を尖らせると、パソコンデスクの前で長い脚を組んだ男は当たり前のような顔でこう言った。

「お前を選んだのは、お前の声が欲しかったからに決まってるだろうが」
「・・・・・・」
「ボーカロイドを選ぶのに、声以外の何で選ぶんだ?」
「・・・だって」
「歌いたくないのか?」
「──え・・・?」

思いがけない台詞に、シェラは菫色の瞳を真ん丸にした。

「俺の曲は、気に入らないか?」
「──ちがっ! そんなんじゃありません!!」
「それなら、何だ?」

じっと見つめてくる藍色の瞳。
曲を作っているときのマスターの瞳はとても真剣で、シェラは大好きだった。
厳しいこともたくさん言われるけれど、納得のいく歌声になると、普段笑わないマスターが少し笑って頭を撫でてくれる──それが、嬉しくてたまらない。

「・・・だって・・・私、出来損ないだから・・・」

男なのに、ボーカロイドなのに、低くて豊かな音を出すのが苦手。
マスターも、いつもそれで苦労している。

「かいとくんや、がくちゃんみたいに綺麗な低い音、出せないから・・・だから、女の子の歌ばかり歌わせるんでしょう?」

うる、と瞳を潤ませる。
最初は、こんな『機能』はなかった。
表情もなく、声音も一定、マスターに文句を言うなんて出来なかったし、感情も・・・──マスターを想う気持ちも、なかったのだ。
全部、全部、マスターがくれたもの。

「他のボーカロイドと比較する必要はないだろう?」
「でも」
「お前は高音が綺麗なんだ。お前のファルセットにどんな評価がついているか、知ってるだろう?」
「・・・・・・それは、マスターの・・・が巧いから」

かぁぁぁぁ、と頬を染める。
途中聴こえなくなってしまった声で何と言ったのか、黒髪の男にはよく分かっている。
椅子から立ち上がり、シェラの前に立つ。
俯いている顔を、指先で上げさせる。
頭ひとつ分近い身長差。

「どうして、そんなことを言い出した?」
「・・・・・・」
「歌うのが嫌じゃないなら、他に理由があるんだろう?」
「・・・・・・」

シェラはちょっと視線を逸らして、ぽつり、と呟いた。

「・・・マスター、男の人だから・・・やっぱり、女の子の方が、いいのかな、って・・・」
「どうして?」
「だって、あの・・・その・・・」

もじもじしていたシェラだったが、マスターに嘘は吐けない。
やがて消え入りそうな声でこう言った。

「──・・・マスター、赤ちゃん欲しいんでしょう?」
「・・・・・・・・・・・・は?」

これには思わず目を瞠った。
そろり、と見上げたマスターの藍色の瞳が真ん丸になっているのを見て、「あれ? あれ?」とシェラも驚く。

「ち、違うんですか? だって、人間は赤ちゃんが欲しくてああいうこと・・・」

思い出したのか、シェラの白い肌が真っ赤に染まる。

「わ、私は男だから、赤ちゃん出来ないし」
「・・・そもそも、ボーカロイドにそんな機能があるわけないだろうが」
「え? そうなんですか? だって、私たちはマスター次第で何でも出来るようになるって」
「・・・歌の話だ、馬鹿もの」
「あ・・・・・・」

しゅん、と項垂れてしまったシェラ。
大袈裟なため息を吐いた男は、シェラの細い身体を抱き上げた。

「ひゃっ!」
「そんなことを考えて、あんな酷いノイズを出したのか」
「・・・ご、ごめんなさい」
「いいさ」

美貌の男は、ゆったりと口許に笑みを刻んだ。

「──それを調教するのが、俺の仕事だ」
「~~~~~~っ」

こうして今夜も、甘い高音が評判のシェラの歌声に、磨きがかけられるのであった。


**********

い、いかん・・・つい・・・私も大概馬鹿だよな(笑)
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