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小ネタや更新記録など。妄想の赴くままに・・・
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四国と岡山に出張です。最近出張多いです。会社のお金で行ったことのない場所へ行って、仕事ですが、人と出会うことが出来るので、とても貴重で、ありがたい経験だと思っております。
北海道のとき同様、朝8時羽田発の飛行機ですが、まぁ、いつも会社に行くときと同じく5時半過ぎの電車に乗ればいいので、問題ないと思います。

さて、最近週末恒例となってきましたが、妹様たちとご飯を食べてきました。で、そのまま妹様の家に行き、カラオケバトルの録画を見ていたら書きたくなったので。

彼を書くのは久々です。彼の穏やかさとやさしさには、いつも救われる気がします。



**********

「・・・何だ、あの声」

地を這うほどに低く、不機嫌な声に、青年の隣にいた金髪の美女──否、こちらもやはり青年だ──はぎょっとした顔になる。

「アー君?」

どんなちいさなささやきでも拾い上げる超高性能の耳を持つ彼の相棒は、しかし他の音などまったく耳に入っていないようにじっと一点を見つめている。
その顔は見たこともないくらいに険しい。
彼の視線の先にいるのが、弟分とも言うべき同じ事務所のアイドルグループの片割れなのは見なくても分かる。
仲が良いのか悪いのか分からない──少なくとも、隣の青年は悪感情を持っていないのだが、相手からの印象は芳しくないふたりは、寄ると触ると喧嘩をしているように見える。
それでも、隣にいる、ちょっと目つきは悪いが心やさしい大型犬のような青年は、いつだって弟分を見守るように、導くように振舞っていたというのに。

「カノンちゃんの声がどうかした?」

リハーサルの邪魔をしない程度の声で問い掛ければ、壮絶な色をした視線が落ちてきた。

──あ、やば。

金髪の青年──ライアンは、自分の迂闊さを呪った。
初夏の若葉のように明るいはずの緑の瞳が、研ぎ澄まされたエメラルドの刃のように深く、鋭い色に変わっている。

「あの声を聴いて、何も感じないのか?」
「え? んー。まぁ・・・ちょっと大人しいっていうか、あの子らしくないけど、そこそこ及第点でしょ」
「──どこがだ」

吐き捨てるような声音も、常には耳にすることのないもので、ライアンはただただ目を丸くした。

「あんたの言うように、らしくない・・・──あんな、機械みたいな声」

ギリッ、と歯噛みする音が聴こえた気がして、ライアンは傍らの青年から一歩身を引いた。

「あんな、上手いだけの歌なんて・・・」

音楽の神に、『これでもか!』というくらい愛されている青年は、音楽に関してだけはどこまでも貪欲で、我が儘だ。
彼の歌や演奏は精密機械のように正確だが、彼の真価はそんなところにあるのではない。
テクニックに頼りがちな自分は、その点に関してはこの青年に敵わないだろう、とライアンは常々感じていた。

「・・・何でだ・・・何でもっと・・・」

呟かれた声が泣きそうに掠れていて、ライアンは思わず苦笑した。
青年の視線の先にいる天使のような少年が、どうして『上手く歌おうとしている』のか、その理由がよく分かるからだ。

「──罪作りだなぁ。アー君は・・・」

ほとんど吐息で紡がれたその言葉は、本人に届くことはなかった。



**********

音楽はやはり、心に響かせるものだと思うのですよ。
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