小ネタや更新記録など。妄想の赴くままに・・・
今年は当日中に祝えた!(笑)
毎年忙しさにかまけたり、忘れたり(コラ)お祝い出来ないことが多かったですが、今日は間に合ったよ!
頭脳明晰、容姿端麗、文武両道。冷淡だけれど段々と周囲に感化されて人間らしくなってきたきみが大好きだよ。私に言われても嬉しかないだろうけどな(笑)
なかなかかっこ良く描いてあげられないけど、ただひたすらにシェラを愛しているきみは、それだけで十分かっこいいと思うんだ。ストーカーだって、美形だったら「一途な人」だよ(コラ)
ちょこっと思いついたネタがあるので、スケーターものでいきましょうか。
毎年忙しさにかまけたり、忘れたり(コラ)お祝い出来ないことが多かったですが、今日は間に合ったよ!
頭脳明晰、容姿端麗、文武両道。冷淡だけれど段々と周囲に感化されて人間らしくなってきたきみが大好きだよ。私に言われても嬉しかないだろうけどな(笑)
なかなかかっこ良く描いてあげられないけど、ただひたすらにシェラを愛しているきみは、それだけで十分かっこいいと思うんだ。ストーカーだって、美形だったら「一途な人」だよ(コラ)
ちょこっと思いついたネタがあるので、スケーターものでいきましょうか。
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「あれ~。ロンちゃんとフーちゃんだぁ!」
弾むような明るい声で呼ばれて、リンクの上にいたロンドとフーガは同時に振り向いた。
後頭部の高い位置で銀色の髪を纏めた、妖精のように美しい少女──年齢的には『女性』と言うべきだろうが、無邪気な雰囲気が彼女をあどけなく見せている。
「シェラ!」
ぱぁぁぁぁ! と顔色を輝かせて、ロンドは猛スピードでリンクサイドへ滑っていった。
「今日ここで練習なの?」
「うん、これから。ロンちゃんたちも?」
「ぼくたちはもうすぐおしまい。──ねぇ、見ててもいい?」
「いいよ!」
仲の良い姉弟のように手を取り合って喜び合うふたりを後目に、フーガの視線は入り口からゆっくりと歩いてくる男に釘付けだった。
一流のテーラーが仕立てたスーツが似合いそうな長身は動きやすいトレーニングウェアに包まれているが、立って歩いているだけで人が避ける。
切れ長の青い瞳は射るように鋭いが、それを補ってあまりある美貌の主でもある。
黒い髪と青い瞳という特徴はロンドと同じなのに、正反対の雰囲気だ。
「・・・ヴァンツァー」
フーガが幼い頃から憧れてやまない、男子フィギュアスケート界の絶対王者。
あっという間に引退してしまった彼のような4回転ジャンプが跳びたくて、何度も何度も、どれだけ転んでも立ち上がって跳び続けた──アクセルもそう。
ふわりと飛び上がって針のように細い軸で回転する、あんなジャンプが跳びたい、と。
何百回も何千回もビデオを再生して、目と記憶に焼き付けて、真似をして。
彼のジャンプに似ていると言われたときは、ただただ嬉しくて。
フーガは今自分を指導してくれているコーチを本当に素晴らしい人だと思っているが、ほんの僅か、シェラを羨ましいと思う気持ちもあった。
「犬小屋みたいだな」
「──え?」
低く呟かれた言葉に、フーガは目を瞠った。
思わず周囲を見渡すが、今の言葉を耳に入れた人はいないようだった。
「ここのことじゃない」
上から落ちてきた視線に、軽く脚が震える。
フーガはドキドキと煩い胸に手をあて、首を傾げた。
「あいつら。仔犬がじゃれあってるみたいだろう?」
顎で示した先には、リンクサイドでシェラがアップするのをサポートするロンド。
怪我をしないよう入念に、けれどきゃっきゃと笑っているふたりの様子に、フーガは思わず笑みを零した。
「俺も、ロンはわんこみたいだなって、いつも思ってます」
シェラは犬というよりも、何だかもっと崇高な生き物のような気もするが。
そんな風に呟いたフーガに、ヴァンツァーは鼻を鳴らした。
「崇高、ねぇ」
「・・・俺、変なこと言いました?」
「いや。天井知らずの馬鹿という意味では、高い場所にいるかもな」
悪口のように聴こえるが、たぶん違う。
この、ファッションモデルや映画俳優でもやっていそうな美貌のスケーターは、そんな『馬鹿』のことを、きっと嫌いじゃない。
シェラは、誰にも負けないくらいスケートを愛している。
どれだけ転んでも、どれだけ跳べなくても、どれだけ調子が悪いときでも前を、上を見て遥か高みを見続けてきた。
そして、ヴァンツァーもまた、そうなのだ。
「少しだけ、残念です」
「ん?」
「シェラが引退してしまって」
「あぁ」
「俺、彼女の演技が大好きなんです。強くて、優雅で、繊細でやさしくて、でもパワフルで。こんなスケーター、二度と現れないだろう、って思うくらいすごい人です」
「ふぅん」
「ジャンプもすごいけど、俺はシェラのステップが一番好きで」
視線をシェラからヴァンツァーに移し、フーガは苦笑した。
「時々シェラのステップを真似したりするんですけど・・・あれ、女子の構成じゃないですよ」
ファンの間でも『鬼ステップ』と呼ばれる長く細かいストレートラインステップは、シェラのプログラムに欠かせない──そしてそれを作っているのは、コーチでもあるヴァンツァーだった。
「女子とか男子とか、そういうのはどうでもいいんだ」
「どうでもいい?」
「出来るか、出来ないか。あいつの基準はそれだけだ」
「・・・・・・」
「出来なければ、出来るまでやる。馬鹿だから、器用に楽して点数稼ぐとか、出来ないんだよ」
その言葉に、フーガは思わず微笑んだ。
「あなたも、ですよね」
性別の差はあれど、スケートに対する情熱はよく似たふたり。
衝突もよくするが、目指す高みは同じだった。
「俺、シェラの演技を見てると、涙が出てくるんです」
「そう言うやつらは少なくない」
「あの世界選手権のときも・・・天使っていうか、いや、もう、神様・・・うん、女神様が舞っているんじゃないかって思ったくらいすごくて」
『伝説』と呼ばれるシェラの演技。
それはもう、女性が滑ることの出来る、およそ最高峰の演技で。
それを完璧に滑りきったシェラは、神々しくさえ見えたのだ。
「あの・・・厚かましいのは承知で、お願いがあります」
真剣な表情で見上げてくる少年に、ヴァンツァーは視線で先を促した。
「ほんのちょっとで構いません。俺に・・・ジャンプを、教えてもらえませんか?」
その言葉に、ヴァンツァーはふ、と僅かに目元を緩めた。
あまり見ることない表情に、フーガは目を瞠った。
「何だ。プログラムを組んでくれとでも言うのかと思った」
「えっ! いや、それは、お願いしたいですけどでもっ!」
あたふたしているフーガに、ヴァンツァーは先程よりもはっきりと笑みを浮かべて見せた。
「面白いもの、見せてやろうか」
「え?」
首をかしげるフーガに、ヴァンツァーは一枚のCDを渡した。
「3分後に、その音を流せ」
「え? 音?」
「きっかり3分だ、いいな?」
「・・・はい」
よく分からなかったが、フーガは練習用の曲をかけるためのプレーヤーにCDをセットし、リンクサイドの時計に目を遣った。
そして──。
シェラの『エイト・トリプル』が伝説なら、その日の光景を何と言えば良いのか。
その時から、フーガの頭の中はその演技を再現することでいっぱいになった。
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いつか続くかも(コラ)
ヴァンツァーは、やればデキる子だというのを書きたいだけ。
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