小ネタや更新記録など。妄想の赴くままに・・・
素直で真っ直ぐ、猪突猛進なお姫様やら女王様やらに振り回される男というのが好きらしい橘です、どうもおはようございます。男なんて、みんな苦労してればいいんだ(コラ)苦労して、はぁぁ、まったくうちのお姫様は、とか言いながら、周りから見たら「あぁ、あの人今日も幸せそうだなぁ」とか思われてればいいんだ(おい)
自分の思い通りに動かせば見守るにしても楽でしょうに、そうではなく、あくまで相手の意思を尊重しつつ、危なくなったら手を貸してあげる、というのがいいなぁ、と。いえ、おとなしくしていてもらえるなら、是非そうして欲しいと思っていると思うんですが(笑)
そんな苦労性の男が好きな橘のストライクゾーン兵庫さんに、頑張ってもらいましょ。
自分の思い通りに動かせば見守るにしても楽でしょうに、そうではなく、あくまで相手の意思を尊重しつつ、危なくなったら手を貸してあげる、というのがいいなぁ、と。いえ、おとなしくしていてもらえるなら、是非そうして欲しいと思っていると思うんですが(笑)
そんな苦労性の男が好きな橘のストライクゾーン兵庫さんに、頑張ってもらいましょ。
**********
あと僅かでも刃が食い込んでいたら命はなかった。
正確に頸動脈を狙った一撃。
しかし、ほんの少し肌を傷つけただけで終わったというのは、それ以上斬れなかったからではない。
斬らなかったのだ、と。
その傷跡を見た瞬間にも理解した。
首を飛ばす気だったらそれも出来ただろう。
だが、野伏に対抗すべく農民たちが雇ったという侍は、わざとそうしなかった。
命がかかった場面で相手を殺さずに制するというのは、実は命を奪うよりずっと難しい。
制することが出来なければ己が命を落とす場面、刃を止めることが出来るのは、幾度も死線をくぐり抜けてきた練達のみ。
「首の傷、さぞや疼くであろう・・・?」
内心の驚愕は綺麗さっぱり隠し、そう揶揄した。
剣に対してはどこまでも真っ直ぐでありながらどこかひねくれた性格をしたこの男は、斬れと言われれば斬らず、待てと言われれば向かっていく。
「キュウゾウ殿がし損じるほどの腕前ならば、相手にとって不足はない」
背中を向けているかつての相方に、一方的に言葉を向ける。
下命こそないが、邪魔な侍を斬れという命はそのうち下るだろう。
早いか遅いか、それだけのこと。
決着をつけなかったのか、と訊いた俺に、キュウゾウはひと言こう言った。
「・・・野伏を斬ったあとだ」
おそらく、件の侍がそう口にしたのだろう。
おぬしと決着をつけるのは、野伏を倒したそのあとだ、と。
なんとまぁ、素直なことか。
鼻白みはしたが、おそらくその侍はそう言って背を向けたのだろう。
さも斬ってくれと言わんばかりに背を向けられて、はいそうですか、と斬れるほどキュウゾウは素直な性格をしていない。
人を斬りたいわけではない。
真剣勝負の中で、生を実感したいだけなのだから。
それを見越してのことか、そうだとすればなかなかに恐れ入る。
「留守を頼んだ」
そう告げて島田カンベエとかいう男の元へ出向いたわけだが・・・そのときは邪魔が入って決着はつかなかった。
しかし、刃を交えて感じたこと、それは──この男は、キュウゾウがもっとも苦手とするタイプだということだ。
腕が悪いわけではない、むしろかなりの手練であることは間違いないのだが、キュウゾウのように己の剣の腕だけに頼っているわけでもない。
逆に、使える手は何でも使うといった印象がある。
ただ真っ直ぐに腕を磨き、並ぶもののない実力があるからこそ余計な奸計を巡らす必要もなかったキュウゾウの剣とは、質がまったく異なる。
気配を察することも、相手の動きを読むことも得意なキュウゾウであったが、その生真面目な性格が災いしてか、腹芸はもっとも苦手とするところだった。
島田という男は、腕があるのに腹芸しか使わないような、そんな男だ。
実力を隠しているのとも違う。
好んで道化を演じているとでも言おうか、少なくともただひたすらに己の腕を磨こうとしているものの剣ではなかった。
キュウゾウは、さぞ戦いにくかったことだろう。
それでもおそらく、背を向けられなければキュウゾウが勝っていたはずだ。
強い男ではあるが、若いキュウゾウには速さも持久力も及ばない。
俺が斬るにせよ、キュウゾウが決着をつけるにせよ、御前配下の野伏が倒すにせよ。
島田は農民たちの願いを叶える前に死ぬはずだった。
──そう、誰あろうキュウゾウ自身が、あの男を助けたりしなければ。
**********
もう1回かな。進んでるんだか進んでないんだか、微妙すぎる。
あと僅かでも刃が食い込んでいたら命はなかった。
正確に頸動脈を狙った一撃。
しかし、ほんの少し肌を傷つけただけで終わったというのは、それ以上斬れなかったからではない。
斬らなかったのだ、と。
その傷跡を見た瞬間にも理解した。
首を飛ばす気だったらそれも出来ただろう。
だが、野伏に対抗すべく農民たちが雇ったという侍は、わざとそうしなかった。
命がかかった場面で相手を殺さずに制するというのは、実は命を奪うよりずっと難しい。
制することが出来なければ己が命を落とす場面、刃を止めることが出来るのは、幾度も死線をくぐり抜けてきた練達のみ。
「首の傷、さぞや疼くであろう・・・?」
内心の驚愕は綺麗さっぱり隠し、そう揶揄した。
剣に対してはどこまでも真っ直ぐでありながらどこかひねくれた性格をしたこの男は、斬れと言われれば斬らず、待てと言われれば向かっていく。
「キュウゾウ殿がし損じるほどの腕前ならば、相手にとって不足はない」
背中を向けているかつての相方に、一方的に言葉を向ける。
下命こそないが、邪魔な侍を斬れという命はそのうち下るだろう。
早いか遅いか、それだけのこと。
決着をつけなかったのか、と訊いた俺に、キュウゾウはひと言こう言った。
「・・・野伏を斬ったあとだ」
おそらく、件の侍がそう口にしたのだろう。
おぬしと決着をつけるのは、野伏を倒したそのあとだ、と。
なんとまぁ、素直なことか。
鼻白みはしたが、おそらくその侍はそう言って背を向けたのだろう。
さも斬ってくれと言わんばかりに背を向けられて、はいそうですか、と斬れるほどキュウゾウは素直な性格をしていない。
人を斬りたいわけではない。
真剣勝負の中で、生を実感したいだけなのだから。
それを見越してのことか、そうだとすればなかなかに恐れ入る。
「留守を頼んだ」
そう告げて島田カンベエとかいう男の元へ出向いたわけだが・・・そのときは邪魔が入って決着はつかなかった。
しかし、刃を交えて感じたこと、それは──この男は、キュウゾウがもっとも苦手とするタイプだということだ。
腕が悪いわけではない、むしろかなりの手練であることは間違いないのだが、キュウゾウのように己の剣の腕だけに頼っているわけでもない。
逆に、使える手は何でも使うといった印象がある。
ただ真っ直ぐに腕を磨き、並ぶもののない実力があるからこそ余計な奸計を巡らす必要もなかったキュウゾウの剣とは、質がまったく異なる。
気配を察することも、相手の動きを読むことも得意なキュウゾウであったが、その生真面目な性格が災いしてか、腹芸はもっとも苦手とするところだった。
島田という男は、腕があるのに腹芸しか使わないような、そんな男だ。
実力を隠しているのとも違う。
好んで道化を演じているとでも言おうか、少なくともただひたすらに己の腕を磨こうとしているものの剣ではなかった。
キュウゾウは、さぞ戦いにくかったことだろう。
それでもおそらく、背を向けられなければキュウゾウが勝っていたはずだ。
強い男ではあるが、若いキュウゾウには速さも持久力も及ばない。
俺が斬るにせよ、キュウゾウが決着をつけるにせよ、御前配下の野伏が倒すにせよ。
島田は農民たちの願いを叶える前に死ぬはずだった。
──そう、誰あろうキュウゾウ自身が、あの男を助けたりしなければ。
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もう1回かな。進んでるんだか進んでないんだか、微妙すぎる。
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