小ネタや更新記録など。妄想の赴くままに・・・
漫画で、フィギュアモノがあったんですよ。イケメンで、才能はあるんだけど、東北訛りの抜けないヘタレわんこ青年が、幼馴染の女の子に魔法の呪文をかけてもらうとクワドだろうが3Aだろうが華麗に決めてしまう、という。でもガチヲタ(笑)ちいさい頃好きだった魔法少女グッズが部屋に山ほどあるの(笑)才能豊かなイケメンのガチヲタ。残念すぎる。
そんなテイから、久々のヲタヴァンでも。
そんなテイから、久々のヲタヴァンでも。
**********
ヴァンツァーは、かっこいい。
黙って座っていれば、文句なしの美形だ。
ゲームのやりすぎで悪くなったせいでかけている眼鏡だって、言わなければ「あら、知的♪」で済む。
身長は高いし、ハー○ードを出るくらい頭もいいし、運動だって本人は嫌いみたいだがそこそこ出来る。
家は裕福だし、一家揃って美形だし、本当に非の打ち所がないのだ。
──・・・ガチヲタだけどな。
シェラは深々とため息を零した。
それは、ついさっきの出来事。
ヴァンツァーの兄嫁であるジャスミンが、仕事帰りにヴァンツァーのマンションへとやってきた。
シェラは半ば押しかける形で入り浸って夕飯だの掃除だのと甲斐甲斐しく世話をやいているわけだが、そんなわけでジャスミンの訪問にも立ち会う形となったのだ。
「婚約記念のプレゼントを持ってきた」
大柄で迫力満点の女性だが、ジャスミンは気配りも上手だ。
ふてぶてしいながら可愛がっている義弟と、こちらは心底気に入ったらしいシェラのため、プレゼントを用意してくれたのだという。
なんだか申し訳なくなったシェラだったが、ヴァンツァーはつまらなさそうな顔になった。
「なに」
「ヴァンツァー!」
失礼だよ! と憤るシェラは丸無視し、ヴァンツァーはダイニングのテーブルについたジャスミンから封書を受け取った。
「まぁ、現物を渡すのはもう少し先になるんだが」
目録って、何持ってらしたんですか、お義姉様、と若干頬を引き攣らせつつ珈琲を淹れていたシェラだったが、直後発された奇声に危うくカップをひっくり返すところだった──蛇足ながら、カーサの趣味で揃えられたそれらはマイセンのものである。
「ヴァ、ヴァンツァー・・・?」
対面式のキッチンから恐恐問いかけたシェラだったが、キッチンに向けられたヴァンツァーの背中だけ見ても分かる。
──相当とんでもないもの渡したな、お義姉様・・・。
もう、後光が差しているのではないかというくらい、ヴァンツァーが喜んでいるのが分かるのだ。
そしてとどめが。
「──ありがとう、ねえさん!!」
うお、まぶしっ! と。
顔を見なくても、きらきらした笑顔をジャスミンに向けているのが分かる。
ジャスミンも嬉しそうに微笑んでいる。
「喜んでもらえて何よりだ」
「うわぁ、早く届かないかなぁ」
クリスマスプレゼントを心待ちにする子どものような態度を可愛いなぁ、と思ったシェラだったので、お盆に人数分のカップを載せてダイニングへ向かい、「何をもらったの?」と訊ねてみた。
──そして、訊いたことを後悔した。
嬉しそうにヴァンツァーが差し出した目録には、自動車らしきものの絵が描いてあった。
『らしき』と言ったのには理由がある。
「あの、お義姉様?」
「なんだ、シェラ?」
「これって・・・ミニカーか何かですか?」
「あはははは!」
豪快に笑われて、思わず「ごめんなさい」と謝りそうになったシェラだった。
「まさか。ちゃんと人間が運転する自動車だよ」
「・・・私の勘違いでなければ、お馬さんが跳ねてる気がするんですけど?」
ポル○ェか? フェ○ーリか? と冷や汗を流すシェラに、ジャスミンは「わたしが好きなんだ」とこともなげに笑った。
「わたしの愛車もフェ○ーリでね」
「・・・それと、何かお馬さん以上に存在感のあるモノが・・・」
シェラの目がおかしくなったのでなければ、それは間違いなく。
「あぁ──きみだ」
──やっぱりか!!
真っ赤な車にデカデカと描かれた己のツインテール姿に、シェラは軽く死にたくなった。
──イタ車の痛車かよ・・・
と、ヴァンツァーと付き合うようになって無駄に多くなったヲタ系の語彙を、今すぐにでも忘れたくなったシェラだった。
「・・・まぁ、飾って見る分には」
害はないか、と思ったシェラに、ヴァンツァーは「は? 馬鹿?」という目を向けた。
「乗るに決まってるだろ」
「──は?! 誰が運転するの?! 私はしないからね!!」
「俺だって免許くらい持ってる」
「国際A級のライセンスもな」
ヴァンツァーの言葉にジャスミンが続け、シェラの顔面は蒼白を通り越して土気色になった。
──無駄に有能なのやめてもらえませんかね?!
「ねえさん、ありがとう!」
普段の仏頂面が嘘のような満面の笑みに、ジャスミンも笑って頷いた。
「これで少しは外に出る気になってくれるなら、安いものだ」
──・・・いやいや・・・高級車にアホなペイントして何が楽しいんですか・・・。
とツッコミたくなったシェラだったけれど、喉が干からびて声が出せなかった。
そして後日、この日盛大に文句を言わなかったことを激しく後悔することになるのだった。
**********
ちょっと進んだ。たぶん。
何かちょっとノリノリ。俺が(コラ)
ヴァンツァーは、かっこいい。
黙って座っていれば、文句なしの美形だ。
ゲームのやりすぎで悪くなったせいでかけている眼鏡だって、言わなければ「あら、知的♪」で済む。
身長は高いし、ハー○ードを出るくらい頭もいいし、運動だって本人は嫌いみたいだがそこそこ出来る。
家は裕福だし、一家揃って美形だし、本当に非の打ち所がないのだ。
──・・・ガチヲタだけどな。
シェラは深々とため息を零した。
それは、ついさっきの出来事。
ヴァンツァーの兄嫁であるジャスミンが、仕事帰りにヴァンツァーのマンションへとやってきた。
シェラは半ば押しかける形で入り浸って夕飯だの掃除だのと甲斐甲斐しく世話をやいているわけだが、そんなわけでジャスミンの訪問にも立ち会う形となったのだ。
「婚約記念のプレゼントを持ってきた」
大柄で迫力満点の女性だが、ジャスミンは気配りも上手だ。
ふてぶてしいながら可愛がっている義弟と、こちらは心底気に入ったらしいシェラのため、プレゼントを用意してくれたのだという。
なんだか申し訳なくなったシェラだったが、ヴァンツァーはつまらなさそうな顔になった。
「なに」
「ヴァンツァー!」
失礼だよ! と憤るシェラは丸無視し、ヴァンツァーはダイニングのテーブルについたジャスミンから封書を受け取った。
「まぁ、現物を渡すのはもう少し先になるんだが」
目録って、何持ってらしたんですか、お義姉様、と若干頬を引き攣らせつつ珈琲を淹れていたシェラだったが、直後発された奇声に危うくカップをひっくり返すところだった──蛇足ながら、カーサの趣味で揃えられたそれらはマイセンのものである。
「ヴァ、ヴァンツァー・・・?」
対面式のキッチンから恐恐問いかけたシェラだったが、キッチンに向けられたヴァンツァーの背中だけ見ても分かる。
──相当とんでもないもの渡したな、お義姉様・・・。
もう、後光が差しているのではないかというくらい、ヴァンツァーが喜んでいるのが分かるのだ。
そしてとどめが。
「──ありがとう、ねえさん!!」
うお、まぶしっ! と。
顔を見なくても、きらきらした笑顔をジャスミンに向けているのが分かる。
ジャスミンも嬉しそうに微笑んでいる。
「喜んでもらえて何よりだ」
「うわぁ、早く届かないかなぁ」
クリスマスプレゼントを心待ちにする子どものような態度を可愛いなぁ、と思ったシェラだったので、お盆に人数分のカップを載せてダイニングへ向かい、「何をもらったの?」と訊ねてみた。
──そして、訊いたことを後悔した。
嬉しそうにヴァンツァーが差し出した目録には、自動車らしきものの絵が描いてあった。
『らしき』と言ったのには理由がある。
「あの、お義姉様?」
「なんだ、シェラ?」
「これって・・・ミニカーか何かですか?」
「あはははは!」
豪快に笑われて、思わず「ごめんなさい」と謝りそうになったシェラだった。
「まさか。ちゃんと人間が運転する自動車だよ」
「・・・私の勘違いでなければ、お馬さんが跳ねてる気がするんですけど?」
ポル○ェか? フェ○ーリか? と冷や汗を流すシェラに、ジャスミンは「わたしが好きなんだ」とこともなげに笑った。
「わたしの愛車もフェ○ーリでね」
「・・・それと、何かお馬さん以上に存在感のあるモノが・・・」
シェラの目がおかしくなったのでなければ、それは間違いなく。
「あぁ──きみだ」
──やっぱりか!!
真っ赤な車にデカデカと描かれた己のツインテール姿に、シェラは軽く死にたくなった。
──イタ車の痛車かよ・・・
と、ヴァンツァーと付き合うようになって無駄に多くなったヲタ系の語彙を、今すぐにでも忘れたくなったシェラだった。
「・・・まぁ、飾って見る分には」
害はないか、と思ったシェラに、ヴァンツァーは「は? 馬鹿?」という目を向けた。
「乗るに決まってるだろ」
「──は?! 誰が運転するの?! 私はしないからね!!」
「俺だって免許くらい持ってる」
「国際A級のライセンスもな」
ヴァンツァーの言葉にジャスミンが続け、シェラの顔面は蒼白を通り越して土気色になった。
──無駄に有能なのやめてもらえませんかね?!
「ねえさん、ありがとう!」
普段の仏頂面が嘘のような満面の笑みに、ジャスミンも笑って頷いた。
「これで少しは外に出る気になってくれるなら、安いものだ」
──・・・いやいや・・・高級車にアホなペイントして何が楽しいんですか・・・。
とツッコミたくなったシェラだったけれど、喉が干からびて声が出せなかった。
そして後日、この日盛大に文句を言わなかったことを激しく後悔することになるのだった。
**********
ちょっと進んだ。たぶん。
何かちょっとノリノリ。俺が(コラ)
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